包丁で使われる錆び(サビ)に強い材質、MV(モリブデン鋼)とは?2015/05/01
モリブデン鋼はモリブデンが含まれていてバナジウムは含まれていない。
モリブデンバナジウム鋼はモリブデンとバナジウム両方を含有するものです。
モリブデン(Mo)、バナジウム(V)を含むことにより耐摩耗性(切れ味が落ちにくい)がよくなり、耐食性(サビにくさ)もよくなります。
包丁の『ステンレス製』はこのモリブデンやバナジウムを使用している包丁が多いです。この材質は錆びに強いですが、全く錆びないわけではありません。海水や酸度の高い食材を調理した後は中性洗剤で洗い、乾燥したタオル等で水分をしっかり拭き取ることをお勧めします。モリブデン鋼のサビの特徴としてピンホールのようになる事があります。針で穴をあけたような感じです。錆びにくい材質というだけでサビないわけではないので、取り扱いは十分気を付けてください。
包丁の他に医療用メスにも使われています。
モリブデン鋼はお手入れが簡単とういことで料理人から家庭用までたくさんの方に喜ばれている鋼の材質です。
昔はサビる包丁しか無かった為に包丁は錆びる物と思われている方も多いと思います。ですが、近年はモリブデン鋼を含め錆にくい包丁をつくる技術も上がってきている為、錆びにくくて切れ味が良いという包丁もたくさんございます。
和包丁では、日立金属の銀三鋼(ぎんさん)が使われています。堺の職人が作る銀三は炭素系のハガネと変らない切れ味として料理人の間でも使われています。
洋包丁ではモリブデン鋼はもちろん、V金10号、V金1号、スウェーデン鋼などが使われています。こちらも料理人からの評価も高く、特に海外ではこのあたりの材質が大変喜ばれています。
モリブデン鋼などの包丁とハガネの包丁とを比較して一番の違いはやはり錆びるかどうかになります。ステンレス系の包丁も錆にくいというだけで、錆びないワケではありませんので、ご使用後はしっかりと拭いて水気を取ってください。切れ味に関しては、同じような価格帯であればハガネの包丁の方が優れています。また、切れ味の持続性もハガネの包丁の方が優れています。どちらにも長所はあるのでご自分の使う環境で選ばれればいいかと思います。
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